著者紹介

我田 大(わがた ひろし)

昭和22年(1947)、新潟県南魚沼郡石打村(現・塩沢町)に生まれる。東京都立大学(社会人類学専攻)在学中から料理の修行に励む傍ら、雑誌『ガロ』周辺の気鋭の文化人たちと知的な交流を重ね、多岐にわたる知見を深める。

かつては、六日町にて季節料理の店「大(だい)」の主人として腕を振るい、魚沼の豊かな旬の恵みを多くの人々に提供してきた。惜しまれつつも店を閉じた後も、故郷である魚沼の壮大な自然、脈々と受け継がれる文化、そして心温まる懐かしい昔の記憶への尽きぬ思いを抱き続けている。

現在は、本JA広報誌をはじめとする媒体にコラムを執筆。日々の暮らしに宿るささやかな発見や季節の恵みを、故郷への深い愛情と長年の人生経験に裏打ちされた、温かく、時にユーモラスな眼差しで紡いでいる。地元に息づく飾らない言葉や、時に方言を交えながら五感を刺激する鮮やかな描写で綴られるその筆致は、読者自身の記憶や郷愁を呼び覚ますとともに、郷土の魅力や日々の営みの尊さを再発見するきっかけとなり、心の奥深くに温かく語りかける。