正月から飲み食いのしほうだい、外仕事もないのでイチンチジュー家ンなかでゴロゴロ。食っちゃ寝のオバケ。雪もたいして降らないのでイキホリもない。(一月中旬に書いている)おかげで腹もせりだしてきた。店をやめたのでその仕事もない。夜もちゃんと飲み食いする。節食節飲も限度がある。で、また太る。
運動して減らせばといわれた。室内自転車こぎをしてみたが、ヒトツトコでペダルを踏んでいるのは飽きる。そのためだけの運動はツマラナイ。こぐエネルギーで発電すればとか思ってしまう。夏は田畑でいろいろして汗をかくので食っても太らないので、ワザワザする減量運動はバカらしいとつい思ってしまう。よくいわれるように、太るのはすぐなのに、なかなか減らない。歩いてみればといわれたが、除雪された道のはじっこを自動車を気にしながら歩くのは気に食わない。(なんで食?)
と、思いついた!イキ(雪)のノラを歩けばいいじゃないか。今はスノーシュー(直訳「雪靴」か)という洋風カッチキ(カンジキ)があるそうじゃないか。でもネットを見たらいろいろありすぎて選べない。身近にアドバイスしてくれる人もいない。で、日は過ぎ、日に日に体は重くなる。……ア、そうだ昔(50年近く前)に買った歩く用のスキーがあったじゃないか。物置からほこりを払って出した。骨董品もいいとこだがなんとか使えそうだ。スキーはノルデック(距離、クロスカントリー)競技用のより厚く幅広で、 滑走面の中央部はウロコ状のギザギザでワックスなしでも後退を防ぐ式。晴れた日に農道にもちだした。ビンデングは中学頃(60年前)と同じしくみ。ゴムのスキー靴の前横の縁を針金の太いようなのではさみつける。長いストックは丸いワッカ、雪に刺さる先は後ろに曲がっている。雪の上ではいてみるとなんとかなりそうだ。そろそろとヤビダス(歩み出す)。昔とったキネヅカ(杵の柄)、体はパスカング(交互滑走、ダイアゴナル)を覚えていた、しかし柔らかい雪のノラ、コースが切られていないのでペタペタと歩くしかない。左右のスキーごとに体重をかける。そのときのヒザとスネの感覚がもどってきた。ちゃんと乗るとグッとすべる。ストックもなるたけ前につき後ろに押す、最後の突き放しがだいじだった。そうだスキーは「ノル」のだった。滑るのはスッテンコロリンだ。スキーで「スベル」なんてチャンチャラおかしい共通語が流通してるのはいまいましい。
帰り道は来たミゾがあるので少し調子がでた。しかし寄る年波、スイスイとはいかない。足首が左右にキョロキョロする。(用具がベストでないせいもあるか)していると、一歩滑走、二歩滑走、推進滑走、スケーテングなんて名も思い出した。よくおぼえていた。
スキー大会など競走では、前の人に追いついて追いこそうという時には「バンフライ」と声をかけるルールだった。いわれたらよけなければならない。ドケーッ!ということだと丸おぼえしていたが、かなりあとになって意味を知った。クルマやバイクのスピード好き青少年のあこがれの道だったドイツのアウトバーン。速度無制限の高速道。思いっきりブッとばせる。その意味はアウトは自動車、バーンは道、たんに自動車用道路ということだった。なーんだ。法律が(野球の)アウトで無法の道くらいに思っていた。バンフライはバーンが道、フライは空ける(英語のフリー)だった。道を空けろ、と説明的。でもドケーッ!と意味はおなじだ。それじゃあナイター(スキーの)にいって、転んで顔面制動すりきずイテテのアイスバンは「氷の道」ということか?アイス(氷)の「盤」かと思っていた。
晴れると歩くスキーで体はいくぶん軽くなったが、目方はなかなか……。
(我田 大)
