(81)イモサラ 広報誌2025年12月号掲載

ポテトサラダ通称ポテサラは昔はイモサラといった。洋風のつけあわせの定番。あまり嫌いな人はいないだろう。

和食の修業をして四五年前に店を開いた頃、それはメニューにのせなかった。「板前」が作って出す料理と思っていなかった。(エラソー)しかし野菜作りを始めていろいろを作るようになると溢れる在庫をなんとかしなくちゃ、となった。メニューも野菜料理を多くした。作った野菜が売ってるのとちがってうまいのにたまげたのもある。というわけで、いつしかイモサラ・ポテサラはメニューの常連になった。それを全部自分の野菜でつくる。ジャガイモはダンシャク、メークイン、キタカムイを作っている。七月にとったのは年を越して芽がはじまったのがうまい甘いのに気づいた。買ってるときは気づきもしなかった。まあポテサラは年中作るからそんなこといってられないが。洗ってまるごと圧力鍋で水少々で加熱。シューッといってから15分ほど。その間に具の用意。


タマネギ。泉州中甲黄(という古い品種)。八月に種をまき、六月頃収穫。うすく切って軽く塩まぶし。

キュウリ、夏から秋は自前の。さつきみどり、四葉(スーヨー)、霜知らず、のどれか。 苗を売っていないので自分でタネまきからして作る。洗ってうすく切り軽く塩まぶし。

ピクルス。キュウリがとれてこまるとき作っておく。以前はトショリに習って塩漬けの古漬にしていたのだが、あまり食わないのでピクルスにした。(しかし古漬を切って、ちょうどよく塩出ししたのに繊切りのショウガやミョーゴをまぜてゴマをふったのは大好き)。生のキュウリがない季節にそうだピクルスと思いついてイモサラに入れた。ら、これが大ヒット。複雑微妙な味になる。うまい。買った生のキュウリなんて入れなくてもよい。見た目は地味になるけれど。

そのピクルスの作り方。キュウリは洗って上下(ヘタとシリ)を切り捨て、水を切ったらきれいなガラス瓶につめておく。商品のピクルスのような小さいのでなくてもよい。

次につける酢をつくる。全量白ワインビネガーといきたいがサイフの都合で穀物酢がメイン。それを水で割る(約半分弱)そこにタラゴンビネガー(白ワインビネガーにタラゴンの葉をつける)を2割ほどいれる。香りがよい。タラゴンビネガーは買うと高いので、ワインビネガーを買ってタラゴンの葉(自家栽培)を入れておく。(サラダドレッシングにも好い)味つけは塩を主に砂糖は少々。自分の舌で味をきめる(カン)ので、何mlや何gはわからない。そこにディル(ハーブ。前の年の種が落ちてしぜんに生いてる)の葉か花か種をいれる。ローリエ(庭に生いてる)の葉も、粒コショーも、タカノツメもいれる。これらの入った鍋を火にかける。沸いたのをガラスビンに注ぐ。キュウリが埋まるまで。フタ密閉。これでほっておけばピクルスとなる。酢と熱の力でカビたことはない。

ポテサラをつくる。ジャガイモは皮をアチチとむき、つぶす。そこにキュウリ、タマネギは水をよく絞り、ピクルスうす切も入れる(ニンジンは趣味で入れない)。コショー、マヨネーズも適量入れ、混ぜる。味のかげんをみて、直して完成です。それにつけても、たまに食う売ってるポテサラ、どうしてあんなに砂糖甘いのか。私は砂糖は入れない。

店にきた外国人に英語だと思ってポテトサラダといったら通じなかった。え?ポテトではない?。ポテエイトウ(エにアクセント)というのだった。恥かいたというか勉強になったというか。(我田 大)